
基盤を支えるインフラエンジニアってどんな仕事なの?
エンジニアへの転職を考える中で、「インフラエンジニア」という単語を聞いたことはないでしょうか。
システムエンジニアは主にシステム開発をメインに行う職業という認識は多くの人が持っていると思います。
では、インフラエンジニアとは一体どういった仕事をするエンジニアなのでしょうか。
今回は、
「インフラエンジニアってあまり聞いたことないけど、どういった仕事なの?」
「未経験からインフラエンジニアとして稼いでいくことは可能なの?」
といった疑問に現役インフラエンジニアの立場から徹底解説していきます。
この記事を最後まで読むと、インフラエンジニアの業務内容からインフラエンジニアの年収、未経験でもインフラエンジニアになれる理由、インフラエンジニアの今後の需要まで理解することができます。
ぜひ最後までお付き合いください!
・そもそもインフラってなに?
・インフラエンジニアの業務内容
・インフラエンジニアの年収&年収アップ方法
・未経験からインフラエンジニアを目指すことは可能か
・インフラエンジニアの今後の需要
そもそもインフラってなに?

インフラエンジニアを理解するためには、「インフラ」という単語の意味を理解する必要があります。

インフラってなに?インフレの言い間違いとか?
当時の私はこんな感じでした。(笑)
こんなんでもインフラエンジニアになれちゃうんですから、不思議ですよね~
気を取り直して、「インフラ」とは基盤を意味する単語で、代表的なものに水道やガス、鉄道や道路などの生活を支える公共インフラが挙げられます。
そしてインフラエンジニアの「インフラ」とはITインフラのことで、主に通信の基盤となるパソコンやネットワーク、サーバ、OSなどのことを指します。


インフラは生活の基盤を支える重要な役目を担っており、絶対になくてはならない存在です。
インフラエンジニアとは

インフラという言葉の意味が分かると、インフラエンジニアとはどういうものなのか簡単に理解ができると思います。
インフラエンジニアとは一言で言うと、IT分野においてシステムやサービスを支えるための基盤を設計、構築、運用するエンジニアのことを指します。
分かりやすいように日常生活での具体例を挙げましょう。
私たちがほぼ毎日使うスマホやパソコンにはゲームやSNSなどのアプリケーションが数多く搭載されています。
そのアプリケーションが難なく使えているのは、その下で動いているOSが正常に稼働しているためです。
また、電話やSNSで遠くの人と連絡が取れるのも、その間の通信が確立しているためです。
こういった見えない部分の基盤を支えているのがインフラエンジニアです。


インフラエンジニアはIT基盤を支える、言わば縁の下の力持ち的な立ち位置の職業です。
インフラエンジニアの業務内容

ではインフラエンジニアがどんなものか分かったところで、具体的な業務内容について見ていきましょう。
インフラエンジニアの業務内容は大きく分けて以下の4つにわかれます。
・要件定義
・設計・構築
・テスト
・運用・保守
では1つずつ詳しく解説していきます。
その1:要件定義

要件定義では、システムを作る際に
「どういった機能を入れたのか」「どのレベルの性能が必要か」
などのクライアントからの要望をヒアリングし、要件を明確にします。
このフェーズでシステム全体の構成や方向性がすべて決まってくるため、しっかりとクライアントからの要望を聞いたうえで実現可能な要件をまとめる必要があります。
その2:設計・構築

要件がまとまったら、次は設計・構築フェーズに移っていきます。
設計には「基本設計」と「詳細設計」の2つあり、まず基本設計でメモリ容量、CPUのコア数、システムにどんな機能を組み込むかなどを大まかに決定し、詳細設計で機能の概要をより詳細に設計していきます。
次に作成した設計書を見ながらサーバやネットワークなど、インフラの部分の構築に取り掛かっていきます。

このフェーズはサーバやネットワークなどの知識が一番必要になってきます。自分で作ったシステムがクライアントに使われるわけですから、より一層気合が入りますね!
その3:テスト

出来上がったシステムを実際に動かしながら、テスト仕様書に基づいてちゃんと仕様通り動くかどうかなどの正常確認テストを行います。
一部ではテストエンジニアという職種も存在しますが、大半は設計構築した人がそのままテストまで行います。
その4:運用・保守

最後に出来上がったシステムが安定に稼働するように、システムの運用・保守を行います。
このフェーズでは主にシステム監視を行い、何か不具合が発生した際にはトラブルシューティングを行います。

常に稼働しているシステムや、停止によって重大な損害が伴うシステムでは、常に迅速な対応が必要となります。インフラエンジニアの腕の見せどころですね!
インフラエンジニアの年収

厚生労働省が行った「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、インフラエンジニアの平均年収は約660万円でした。
同年のシステムエンジニアの平均年収が約516万円のため、システムエンジニアに比べるとインフラエンジニアの方が平均年収が100万円以上も高いことがわかります。
インフラエンジニアとしてのスキルレベルや役職、年齢によっても年収は大きく変動していきますので、年収幅は約320万円~850万円程と言えるでしょう。
年収アップを狙うには?

インフラエンジニアとして年収アップを狙うには、以下のような方法があります。
・管理職に就く
・技術系の資格を取得する
・大手企業に転職する
その1:管理職に就く
インフラエンジニアのキャリアアップとして、管理職に就く方法があります。
管理職に就くと、若手エンジニアの育成や帰属意識の向上、プロジェクトでのリーダーやマネージャーなどを任されることが多いため、さらに多くの責任が伴います。
そのため、技術にプラスしてしっかりとしたマネジメント能力を発揮できれば、かなりの年収アップを狙えるでしょう。

プロジェクトリーダーやマネージャーになるとクライアントとの関わりがより深くなるため、コミュニケーション能力も求められます!
その2:技術系の資格を取得する
インフラエンジニアとしてのスキルレベルが上がるとエンジニアとしての価値が向上するため、自ずと年収アップに繋がります。
そこでおすすめなのが、技術系の資格を取得することです。
資格を取得することで、その分野の知識を体系的に学ぶことができるかつ、一目でスキルを証明できるようになるため、転職の際にも役立てることができます。

インフラエンジニアにおすすめの資格は以下にまとめました!
・LinuC
・CCNA
・AWS認定試験
・Microsoft Azure認定資格
その3:大手企業に転職する
最後に、インフラエンジニアとして年収アップを狙うなら、大手企業に転職するという方法があります。
国税省の調査によると、従業員数10人以下の企業では平均年収が355万円というデータに対し、従業員5000人以上になると平均年収が606万円と倍近く違ってくることがわかります。

企業規模によっても年収の差はこれだけあることは理解しておきましょう。
ですが、大企業になると技術のあるエンジニアの数も増え、それに伴い高度なスキルを求められることもあるため、自分に合った企業選定を行うことが重要です。
未経験からインフラエンジニアになれる?


未経験からインフラエンジニアを目指すことは本当に可能なの?
結果からお伝えすると、十分に可能です!
むしろ私の周りには未経験からインフラエンジニアに転職をし、一線で活躍をされている方が非常に多いです。
以下のような理由から、未経験からでもインフラエンジニアを目指せると言えます。
・未経験からでも挑戦できる環境が整っているから
・多くの企業が研修制度を導入しているから
・幅広い専門分野を扱っているから
・需要が高いから
その1:未経験からでも挑戦できる環境が整っているから
インフラエンジニアを目指すためのスクールや資格取得を目的とするオンライン教材が近年ますます増えてきています。
インフラエンジニアを目指せるスクールでは、技術を学びつつ面接対策や履歴書添削、転職先の紹介などを行ってくれる転職サポートが充実しているスクールも数多く存在します。
また、転職の際には技術系の資格を持っていると有利にはたらくケースもありますので、資格取得や独学での勉強もとても効果的です。

未経験にやさしいサービスが充実しているんだね!
その2:多くの企業が研修制度を導入しているから
新卒入社でなくても、未経験中途採用向けの研修制度を導入している企業も少なくありません。

ということは、中途採用を行っている企業も少なくないというわけか!
そうなんです。中には新卒採用に失敗している企業も多いため、人材確保のために中途採用を積極的に行っている企業も多く存在します。
また、未経験として採用してくれる企業というのは、その人の技術力がどのくらいなのかも把握したうえで採用しています。
そのため、しっかりと研修レベルの技術力があればできるような仕事をふってくれるため、未経験だとしてもなんら心配することはありません。

誰でも最初は初心者ですからね。
私も最初は何もできないなりに、1つずつ技術を吸収していきましたから。
その3:幅広い専門分野を扱っているから
今までインフラエンジニアとしてひとくくりで話を進めてきましたが、インフラエンジニアの中でも専門分野によって以下のように分類している企業もあります。
・サーバエンジニア
・ネットワークエンジニア
・セキュリティエンジニア
・クラウドエンジニア
・データベースエンジニア
企業によってネットワークに強い企業や、サーバに強い企業など、それぞれの強みが違ってくるため、その分野に特化したエンジニアを目指すことができれば、転職の幅はグッと上がっていきます。

最近はクラウドが主流になってきているため、クラウド技術に強いエンジニアになれれば未経験でも即戦力になれる可能性は十分にあるでしょう!
その4:需要が高いから
冒頭でもお伝えした通り、システムを正常に稼働させていくためにインフラエンジニアはなくてはならない存在です。
そのため、シンプルにインフラエンジニアの需要は今後も増えていくことでしょう。

需要が増えればその分採用の幅も広がってくるってことだね!

そういうことです!
今後の需要については次の章で詳しく解説しますね。
インフラエンジニアの今後の需要と成長

IT技術の成長により、インフラエンジニアの需要は今後さらに高まってくるでしょう。
近年ではクラウドサービスの普及に伴い、オンプレミスからクラウドに移行する企業が急増してきています。
令和5年に総務省が行った「企業におけるクラウドサービスの利用状況」の調査によると、何らかの形でクラウドサービスを利用している企業の割合が全体の7割を超えているというデータが出ています。

また、経済産業省が発表した今後のIT人材需要の変化では、2030年には約79万人の人手不足が懸念されています。


人手不足により、案件がすべてさばけないということもよく耳にしますね。
このように、インフラエンジニアの人手不足と、新しい技術の普及の影響でますます需要は増えていくと言えます。
未経験からでもインフラエンジニアは目指せる!
いかがでしたでしょうか。
インフラエンジニアの将来性は十分にあることがお分かりいただけたと思います。
この記事を読んでインフラエンジニアに興味が湧いた方はぜひ、未経験から目指してみてはいかがでしょうか。