
基本情報技術者試試験が新制度に変わったらしいけど、難易度はどうなったの?
基本情報技術者試験は2022年の秋季試験を最後に、新しい試験制度の導入により試験内容がガラッと変わりました。
よって、これから基本情報技術者試験を受ける方は新方式での過去問がまだ存在せず、試験対策を行うのがとても難しくなってしまったと思います。

新制度向けの書籍は出版され始めてはいますが、過去問道場などはCBT方式までの旧制度の試験内容しか取り扱っていないのが現実です。
そのため、今回はそんな新制度の基本情報技術者試験に立ち向かっていく勇者に向けて、新制度での基本情報技術者試験の難易度と勉強方法、そして実際に私が合格するために行った勉強方法について徹底解説していきたいと思います!
・おすすめの受験時期
・新制度の試験内容
・おすすめの勉強方法
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結論、基本情報技術者試験は今がねらい目!


新制度の試験対策は難しくなったとか言っといて何言ってんだこいつは!!
って思った方もいるでしょう。(笑)
ですが本当に、新制度に変わった今だからこそ!とてもおすすめできるのです。
では、これからなぜ今がねらい目なのかをしっかりと解説していきます。
・試験制度の変更時には合格率がグッと上がる
・博打を打つような試験内容は出しずらい
基本情報技術者試験は過去に新型コロナウイルスの影響で、ペーパー試験からCBT方式に変わる時期がありました。
初めてCBT方式を採用した時期が「令和2年度」の基本情報技術者試験で、新制度に変わったと同時に合格率が一気に跳ね上がりました。
こちらが平成24年度~平成31年度のペーパー方式の基本情報技術者試験の合格率の推移です。
平成24年度春期 平成24年度秋期 平成25年度春期 平成25年度秋期 平成26年度春期 平成26年度秋期 平成27年度春期 平成27年度秋期 平成28年度春期 平成28年度秋期 平成29年度春期 平成29年度秋期 平成30年度春期 平成30年度秋期 平成31年度春期 平成31年度秋期 | 23.7% 27.1% 23.0% 22.1% 23.9% 23.6% 26.0% 25.6% 30.4% 23.6% 22.5% 21.8% 28.9% 22.9% 22.2% 28.5% |
表からわかるように、ペーパー方式では合格率が例年20〜30%の間を推移していることがわかります。
では、次に令和2年度からのCBT方式に変わったときの合格率の推移です。
令和2年度(令和3年1月実施) 令和2年度(令和3年2月実施) 令和2年度(令和3年3月実施) 令和3年度上期(令和3年5月実施) 令和3年度上期(令和3年6月実施) 令和3年度下期(令和3年10月実施) 令和3年度下期(令和3年11月実施) 令和4年度上期(令和4年4月実施) 令和4年度上期(令和4年5月実施) 令和4年度下期(令和4年10月実施) 令和4年度下期(令和4年11月実施) | 57.9% 50.4% 44.1% 49.9% 39.3% 46% 38.8% 45.1% 38.3% 39.0% 34.8% |
CBT方式に変わったとたん、合格率が一気に20%以上も跳ね上がっていることがわかります!
試験制度が変わっただけでも、これだけ合格率に影響してくることがわかります。

では合格率の推移をグラフで確認してみましょう。

合格率はCBT方式に移行した令和2年度をピークに徐々に下がっていることがわかります。
これが先ほどお伝えした「今の時期がねらい目」という理由で、新制度が浸透するにつれ試験問題の難易度も上がっていくため、徐々に合格率も下がっていくためということです。
また、今の新しい試験制度の導入と同じように、当時CBT方式に変わったことでも午後試験の選択問題の変化や配点の変化があり、過去問で対策しずらいといった懸念点がありました。
セキュリティ問題が必須になり、選択問題の配点が変わりました。
そのため、試験の主催者側でも新制度導入にあたってうかつに合格率を下げるわけにはいかないため、問題を簡単にするしかなく、その結果合格率が大幅に上がったということです。

これが先ほどあげた「博打を打つような試験内容は出しずらい」という理由です。
新制度の基本情報技術者試験

基本情報技術者試験を受けるなら今がねらい目ということはわかっていただけたと思うので、ここからは基本情報技術者試験の新制度はどんな風に変わったのか、試験内容を見比べながら見ていきましょう。
新しい試験制度の主な変更点を以下にまとめてみました。
・試験開催日
・科目名称
・試験内容(問題、時間配分)
・採点方式
では、1つずつ見ていきましょう。
その1:試験開催日
令和4年度下期より前の旧制度の基本情報技術者試験は、毎年春期と秋期の年2回の開催でした。
新制度に変わったことで通年試験となり、好きな受験日時を自分で選んで受験することができるようになりました。
新制度の基本情報技術者試験が通年試験になったことで、従来の年2回しか受けられないというところでの試験ハードルはグンと下がりました。

好きな時に何度でも受けられるようになったことで、試験自体の市場価値が下がってしまう可能性は出てくるかもしれませんね。
その2:科目名称
大きな変更ではないですが、従来「午前試験」「午後試験」と呼ばれていた科目が、新しい試験制度になることによって「午前試験→科目 A 試験」「午後試験→科目 B 試験」に変更されました。
ペーパー方式では試験が1日の中で午前の部と午後の部でわかれていたため、このような名称がついていましたが、CBT方式になってから午前試験と午後試験を別日に受けれるようになったため、この新制度を機に名称が変更されたのだと思います。

旧制度で受験した私からするとなんか少し悲しい気もします。(笑)
その3:試験内容(問題、時間配分)
新しい試験制度が始まったことによって試験内容もガラッと変わりました。
変更前 | 変更後 | ||
午前試験(小問) | 試験時間:150分 | 科目A試験(小問) | 試験時間:90分 |
出題数:80問 | 出題数:60問 | ||
解答数:80問 | 解答数:60問 | ||
午後試験(大問) | 試験時間:150分 | 科目B試験(小問) | 試験時間:100分 |
出題数:11問 | 出題数:20問 | ||
解答数:5問 | 解答数:20問 | ||
※選択問題あり | ※選択問題なし (全問必須) |
まず科目A試験ですが、旧制度の午前試験と比べると問題数は減ったものの、時間が60分も短縮されたため、以前よりも時間制限が厳しくなりました。
ですが、試験範囲や出題形式は変わらないため、従来の午前試験の過去問題などはそのまま活用して勉強することができます。

午前試験はもともと時間が足りない試験ではなかったため、科目A試験でもしっかりと対策を行えばそれほど苦労することはないと思います。
問題は科目B試験です。
旧制度の午後試験と比べると、科目B試験では試験時間が50分減りました。
また、午後試験ではセキュリティとアルゴリズムの2問が必須問題で、プログラミング言語から1問選択、残りの8問から2問選択という方式でした。
ですが、科目B試験では全問必須問題に変更され、大問全20問のうち「アルゴリズムとプログラミング」分野が16問、「情報セキュリティ」分野が4問という出題形式に変更されました。

試験時間は短縮されましたが、試験範囲がセキュリティ及びアルゴリズムとプログラミングに絞られたことにより、旧制度のような幅広い範囲の勉強の心配はなくなりました。
その4:採点方式
新しい試験制度では採点方式も変わりました。
旧試験の絶対評価からIRT方式に変わり、問題の難しさによって配点が変わる方式になりました。
そのため、正答率の高い問題は配点が低くなり、正答率の低い問題は配点が高くなるため、より難易度の高い問題を解けた人ほど合格しやすくなる試験制度になりました。

以前のように60点超えたら即合格!というわけではないので、試験結果が出るまでドキドキですね。(笑)
難易度はどう変わる?

新しい試験制度が始まったことによって試験の難易度はどう変わってくるのでしょうか。
私はITパスポートを取得してから基本情報技術者試験に合格したのですが、基本情報技術者試験はITパスポートと比べてかなり難易度の差があるなといった印象でした。
ですが、CBT方式から新制度に変わるにあたって難易度はこんな感じで変わると思います。

新制度では少し試験自体の難易度が下がり、ITパスポートと基本情報技術者試験の差が少し縮まるでしょう。
ではなぜ新制度試験の方が少し簡単になるのか、新制度の内容と2023年4月の試験結果をもとに解説していきます。
・科目B試験の出題範囲は狭まる
・IRT方式の採用
・2023年4月の新制度試験の合格率は56.4%
その1:科目B試験の出題範囲は狭まる
CBT方式が採用されていた時の午後試験のテスト内容は各大問で情報分野を網羅するようなテスト構成でした。
そのため、必然的に勉強範囲が広くなるとともに、問2~問7の選択問題に関しては、テストごとに出題される大問とされない大問があるため、勉強したのにそもそも試験に出題されなかったといったトラブルも発生しました。

私も一番得意なデータベースが出題されなかったときは、終わったと思いました。(笑)
ですが新制度は、大問全20問のうち「アルゴリズムとプログラミング」分野が16問、「情報セキュリティ」分野が4問という出題形式に変更されたため、勉強する範囲を絞って学習することができるため、とても対策しやすくなりました。

でも科目A試験は全範囲から出題されるんじゃなかったっけ?
はい。科目A試験は全範囲からの出題となり、形式はCBT方式の午前試験と変わらないですが、午前試験の特徴として、5割近くが過去問題から出題される傾向があるため、合格が目的なら過去問題を勉強しておけば特に問題ないでしょう。


ちなみに私は午前問題対策として、このアプリを使っていました。
携帯一台あれば平成22年秋期から令和1年秋期までの過去問題を無料でどこでも勉強することが出来るのでおすすめです。
その2:IRT方式の採用
新しい試験制度では絶対評価からIRT方式に変わったことで、配点が問題の難易度ごとに変わるようになりました。
IRT方式によって、テストごとに合格率が大きく変わってしまうことがなくなったため、受験者の実力をより正確に測ることが可能になりました。
そのため、簡単な問題を確実に解いていく能力と、難しい問題で正解できるための知識が必須にななるため、範囲は狭まったもののしっかりと細かいところまで落とし込んでいくことが大切になります。
ですが、言い換えれば、しっかりと勉強すればするだけ点数を取っていきやすいテストになったため、苦手意識を持つ人が多いアルゴリズムなども試験によって解けたり解けなかったりすることが減っていくと予想されます。
その3:2023年4月の新制度試験の合格率は56.4%
前述で、試験制度が変わったタイミングが一番合格率が高くなるとお伝えしました。
新制度の試験が始まり、2023年4月に行われた第一回目の新制度試験の合格率は56.4%とかなり高い水準でスタートしました。
タイミングの問題にもなってきてしまいますが、今受けることで以前の試験よりも合格しやすくなっているため、ぜひ早めの受験をおすすめします。

ここからは実際に私が行った独学での勉強方法をお伝えしていきます。
私が行った独学勉強法(科目A試験)

基本情報技術者試験は独学でも十分合格できる試験です。
私が行ったおすすめの勉強方法を新制度試験向けに紹介していきたいと思います。
・基本情報午前FEアプリの周回
・キタミ式イラストIT塾を熟読
基本情報午前FEアプリの周回

基本情報午前FEアプリは、「科目A試験の対策はこれだけで十分では?」と思うくらい過去問題が網羅されているところが魅力の1つです。
スマホアプリのため移動中やスキマ時間などでいつでもどこでも勉強することが可能なため、時間の無い社会人の方にもとてもおすすめな勉強方法です。
基本情報FE午前アプリをダウンロード
キタミ式イラストIT塾を熟読

基本情報技術者試験の参考書と言ったらこの「キタミ式イラストIT塾」ではないでしょうか。
この参考書はなんといってもイラストが豊富なため初学者からでも勉強しやすい構造になっていることです。
科目A試験だけでなく、科目B試験にも必須の知識が詰め込まれており、IT全般の知識を網羅できるため、基本情報技術者試験を受ける際には必ず読んでおきたい一冊です。

午前試験で出題される問題の9割はこの本で説明されている内容と言っても過言ではないでしょう。
私が行った独学勉強法(科目B試験)

次に科目B試験に向けたおすすめの勉強方法をお伝えしていきます。
・うかる! 基本情報技術者 福嶋先生の集中ゼミ
・過去問道場周回
うかる! 基本情報技術者 福嶋先生の集中ゼミ

アルゴリズムの勉強と言えばこの一冊、「うかる! 基本情報技術者」でしょう。

私はこの1冊でアルゴリズムの基本的な考え方から問題の解き方までをすべて勉強し、本番ではアルゴリズムを8割正解することができました。
プログラミング初心者の生徒と先生の対話形式で書かれているため、初学者でも理解しやすい構造になっており、アルゴリズムの基本的な考え方から応用問題の解き方まで、この一冊でアルゴリズム問題のすべてを網羅することができます。
また、新制度からは「うかる! 基本情報技術者」からセキュリティ対策の書籍も発売されているため、合わせてチェックしてみることをおすすめします。

過去問道場の周回
書籍で基礎を固めたら、あとは過去問を解いて、解いて、解きまくるだけです!
基本情報技術者試験の過去問題は「過去問道場」にすべてまとまっているため、アルゴリズムとセキュリティの過去問題を重点的に解いていきましょう。

本番試験では時間制限があるため、過去問題を解く際に時間制限を設けてその中で解き切る力をつけることがとても大切になってきます。
まとめ
今回は基本情報技術者試験の難易度から勉強方法までをお伝えしていきました。
・新制度が導入された今がねらい目!
・試験範囲は狭まり、以前よりも少し簡単になる
・アプリと書籍と過去問道場で試験勉強を行う
ぜひこれから基本情報技術者試験を受ける方は、今回の記事を参考にしながら、自分に合った勉強法で合格を目指してみてください!
少しでも皆さんのお役に立てればと思います。
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【結論:きつくないです】